【自転車】
先日、長男が自転車の補助輪を外して乗れるようになりたいと言い出したので、公園で二人自転車の練習を行った。
自転車の練習に関しては、個人的にかなりの自信を持っている。なぜならば、幼少期に私自身誰とも練習することなく、自身の方法論にて30分程度で乗れるようになったという数少ない成功体験を持っていたからである。
公園へ向かう準備も整い、長男は妻へ自転車の練習に行く旨を伝え玄関へ歩いていった。その後を追いながら、私も妻に対し「まぁ、任せとけよ」と言わんばかりの自信に満ちた薄ら笑いを浮かべながらアイコンタクトを送り、長男と二人、公園に向かった。
公園に到着後、早速『俺式30分自転車メゾッド』に即した自転車練習を開始した。導入は比較的スムースに進み、開始20分程度で漕ぎ進めることは難しいものの、自転車に跨った状態で両足を地面につけることなくまっすぐに進むことが出来るようになった。
が、しかし、長男は私の考案した『俺式30分自転車メゾッド』に沿ってそれぞれの要素ごとに練習を繰り替えす方法論に徐々に苛立ちはじめ、最終的には殆ど私の言う事を聞かず、何度も転倒を繰り返しながら、それでもまた起きて漕ぐ練習を行うという独自のメゾッド『とにかく乗ってこけて、それでもまた乗ってを繰り返しますメゾッド』で練習を始めた。
その姿を見ながら「いやーそれは違うのよ!」だとか「それは危ないのよ!」だとか「それはかえって効率が悪いのよ!」と思い、何度もやり方を変更させようと思ったのだが、こけても尚立ち上がり、自転車を一生懸命漕ぐ長男の姿に、それ以上の口出しは不要だと感じ、黙って見守ることにした。
練習は、辺りが暗くなり、街灯に明かりが灯るまで続いた。最終的には自分で漕ぎ始め、ハンドルを切りながら方向転換することが自分ひとりで出来るようになっていた。かかった時間は優に2時間を超えていただろう。確かに時間はかかり、ズボンには公園の芝によって刻まれた緑色の『努力のシミ』をしっかりと認め、手揉み洗いの必要性に気は重くなったが、満足気な彼の横顔の逞しさに、成長を感じることが出来たのであった。
甲斐パパ
職業は作業療法士。ふたりの男の子のパパ。長男誕生後、妻や長男との関係性の中で、自身の『父親像』のアップデートの必要性を感じ、2017年よりおおいたパパくらぶに参画。主に団体の企画・運営を担当している。2020年、次男誕生の際、勤務地の男性で初となる育児休暇を約1ヶ月間取得。育休終了後、自らの体験を伝えるため『パパの育休期間スケジュール表』を妻と協力して作成し、高い評価を得る。このスケジュール表をプレパパ講座などで活用できるようにさらに改善し、今後は育休取得を希望するパパたちのサポートを行なっていきたいと考えている。また、子育てを機に通信制大学に編入し、発達心理学を専攻しながら、学術的な側面からも子供から大人までの成長プロセスを学習中。今後はこれらの経験や知見を活かし、自分がそうであったよう、育児に自信が持てないと思っている若いパパ達の力になりたいと考えている。
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